第一話 怪しい人

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それから次の日。 また同じ時間にあの男性が現れた。 「いらっしゃいませ。」 昨日と同じ様に、黒のキャップを深く被って、サングラスにマスクをつけていた。 (昨日と同じだ…。) 買っている物も昨日と同じだった。 「お買い上げありがとうございます。 300円でございます。 お支払い方法はいかがなさいますか?」 私は昨日と同じ様に尋ねた。 「現金でお願いします。」 また小さい声で言った。 私は少しおかしくなってしまって心の中で 笑っていた。 (この人、声小さいな…でも、綺麗な声…。) 男性は優しくて綺麗な声をしていた。 (きっと若い子だろうな…どんな顔してるのかな?ちょっと見てみたいかも…。) 私は少し気になっていた。
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