第三話 春

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私は聞き覚えのある声で呼び止められた。 私は凄く驚いてしまった。 「えっ?何で貴方がここにいるの?」 そこにはあの電話番号を渡してくれた彼が立っていた。 いつもの様に帽子を深く被って、サングラスにマスクをしていた。 「要さんですよね?」 「そうですけど…。 どうして私の名前を知ってるの? 教えましたっけ?」 私は不思議で仕方がなかった。 「あっ、名札です。前にスーパーで名札を見たんです。」 私は納得した。 「あー、そっか…。名札ね。 でも、なんであなたがここにいるの? 私はラジオの収録を見に来たんだけど… 本人の顔が見れなくて…。」 私はがっかりした顔をしていた。 「もしかして…要さんは春のファンですか?」 私は恥ずかしかったけど…頷いた。 「そうなの…。実は最近気になってて。 そう言えば、あなた…。春くんに声似てる よね…。前から素敵な声だなって思ってた んだよね…。 あっ、ごめんね…こんな事言われても困るよね あなたもファンなの?」 彼はしばらく黙っていたけど、急に私の手を引っ張って走り出した。 「えっ?何?急にどうしたの?」
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