第二話 あの人

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「俺の家の近くにスーパーがあるんですけど、  そこの唐揚げ弁当がすごい美味くて、  今の所一週間、毎日通ってます。」 監督は驚いた。 「スーパーってお前!俳優なんだぞ!  あんまり派手な行動はするなよ!」 僕は笑って答えた。 「そうですよね…すみません…。 でも、そこの唐揚げ食べたくて…。 ちゃんと変装してますから…」 監督は僕の肩に手を乗せてポンポンと叩いた。 「お前は俳優でもあり、声優だ。  あんまり、プライベートで声は出すなよ!  バレたら騒ぎになるからな!  俺は、お前が心配なんだよ。  分かってくれるよな?春?」 僕は十分、分かっていた。 監督が何を言いたいのか。 「はい。分かってます。  絶対に気をつけます。」
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