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「あっ、ごめんね…。
話しの続き聞いてもいいかな?
夢の話し…教えてくれる?」
私達はいつの間にか並んで手を繋いでいた。
「あっ、はい。
俺の両親の話ししてもいいですか?」
「うん。聞かせて。」
「俺の両親は、東京の下町で小さなお弁当屋
をしていました。
俺は両親の作るお弁当が大好きで、
特に、唐揚げが凄く好きでした。
両親が作る唐揚げは世界一美味くて、
俺はその味が今でも忘れられないんです。
だから…俺…両親の作ってくれた唐揚げを
作りたくて…お弁当屋さんをやりたいと
思ってるんです。
それが、小さい頃からの夢なんです。」
私はそれを聞いて思った。
「あっ、だから…毎日唐揚げ弁当買って
たの?」
「えっ?覚えててくれたんですか?」
「だって…怪しい人が毎日来てたから…。」
「あっ、俺の変装ですね…。」
私達は顔を見合わせて笑った。
「あっ、俺…そろそろ行かないと…。」
「あっ、そうだね…。
会見…。頑張ってね。
テレビの前から応援してる…。
あなたの夢…聞かせてくれてありがとう。
とっても素敵な夢だね!
絶対叶えてね!」
「ありがとうございます。
要さんに話せて良かったです。
じゃあ、俺行きます!」
春くんは笑顔で東京へ帰って行った。
テレビの向こうでは春くんの話題で大騒ぎになっていた。
あの有名な人がさっきまで私の家にいたと
思うと、不思議でしょうがなかった。
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