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「わぁ、ライブハウスって初めて来ました。
なんか、素敵ですね。
あれ?でも…私…映画館って聞いてたんです
よね…。
ここって映画も見れるんですか?」
おじさんは笑って答えた。
「あーそれは出来ないこともないよ。
スクリーンを置けば見れるからね。
でも、うちはライブが基本かな。
あっ、そうだ!
この前…彼が来た時…。」
そう言っておじさんはどこかへ行って
数分後、何かを持って戻って来た。
「この前…千秋ちゃん誕生日だったよね?
あの日、彼ずっと待ってたんだよ!
春くん。何か聞いてる?」
「あっ、はい。
あの日はすみませんでした。
おじさんのライブハウスだったんですね?
私…あの日は別の用事ができて…
来れなくて…。」
「あの日…春くんが忘れて行った物があるんだ
これ…彼に返してくれるかな?」
おじさんが持っていたのは二枚のCDだった。
一枚は私の好きなアーティストのものだった。
そして、もう一枚は透明なケースに何も書かれていないCDが入っていた。
「えっ?これ…私の好きな曲だ!
学生の時よく聞いてて…。」
おじさんは笑顔で言った。
「それはそうだろうよ!
このCD聴いてみな!
君にプレゼントだよ。」
「えっ?いいんですか?
二枚とも彼のじゃないの?」
「こっちは…おじさんが勝手に録音した
物だから、千秋ちゃんが聞く権利ある
と思うよ。だから、おじさんからの
誕生日プレゼントだ!」
「?何だかわからないけど…
ありがとうございます。」
私はおじさんに挨拶をして
ライブハウスから出た。
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