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ライブハウスの帰りに近くのスーパーで
卵を買った。
「ただいま。」
家に帰ってから早速、おじさんから貰ったCDを聞く事にした。
押し入れの奥にしまいこんでいた、学生の時に使っていた古いCDラジカセを出してきた。
(ちょっと古いけど…まだ使えるかな?)
私はCDラジカセに電源を入れて、CDをセットした。
古くても音が鳴り出した。
私は曲を聴いて驚いた。
「えっ⁈これって…。春くん⁈」
私は気づいたら涙が溢れ出していた。
そして、頭痛と共にフラッシュバックが
起きたのだ。
私は頭を抱えて、泣きじゃくった。
「この歌…。
どうして…。
あの時…の歌…。
私…私…この綺麗な歌声…知ってる…。
春くん…。
私…あなたの事…ずっと忘れた…。
ごめんね…。
春くん……。ごめんね…。」
私は泣きながらCDラジカセを抱きしめた。
春くんの歌声を聴いて、私は全ての記憶が蘇ってきたのだ。
いつまでも涙が止まらなかった。
私は居ても立っても居られなくて、
部屋を飛び出した。
「お母さん…。
私…。全部思い出した!
私…行かないと!」
「えっ?千秋?
こんな時間に何処行くの?」
私は突然家を飛び出して、無我夢中で走った。
とにかく彼に会いたい一心で走った。
何処までも走った。
気がつけば電車に飛び乗っていた。
(春くん…。
遅くなってごめん…。
もう二度と忘れたりしないから!
私の好きな人…。)
私にはやる事があった。
東京でたけるくんに会って伝えたい事がある。
そのために私は走った。
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