最終話 好きな人

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「じゃあ、私もう行くね。  たけるくん。今日は来てくれてありがとう。  さようなら。」 私はたけるくんに背を向けてカフェを出た。 すると、たけるくんが私の後を追いかけてきた。 「千秋ちゃん!待って!  最後に一つだけお願い聞いてくれないかな? ダメかな?」 私は首をかしげた。 「お願い?何?」 「最後に…抱きしめてもいいかな?  変な事言ってるのは分かってる…。 でも、これでキッパリ諦めるから… だから…一度だけ…ダメかな?」 たけるくんの真剣な目を見て私は頷いた。 「うん…。分かった…。 いいよ。」 そう言った途端、たけるくんが私の腕を掴んで きた。 そして、引き寄せられる様に抱きしめられた。 「千秋ちゃん。ありがとう。  さようなら。」 そう言ってたけるくんは強く私を抱きしめた。 私はたけるくんの腕の中に包まれた。 その時だった…。 後ろから何かが落ちるような大きな音が聞こえてきた。 私達はその音にびっくりして振り返った。  
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