最終話 好きな人

12/24
前へ
/110ページ
次へ
後ろを振り返って私はすごく驚いた。 大きな物音の正体は水筒だった。 水筒を落とした人物がいたからだ。 「どうして…あなたがここにいるの?」 「えっ?えっ?何?千秋ちゃん知り合い?」 たけるくんも驚いている。 そこにはなんと、春くんが立っていたのだ。 「あっ、あの…春くん?  ちっ、違うの…この人はその…。  何でもないから、友達だから…。」 春くんの顔がひきつっているのが分かった。 いい訳をしても無駄かもしれないけど、 私は必死で言い訳を考えていた。 「要さん…。本当に友達ですか?  友達が抱きしめたりしますか?  本当は…誰なんですか?」 問い詰められている私の隣でたけるくんが 声を出した。 「お前こそ誰なんだよ!  サングラスなんかして、怪しいな!」 そう言ってたけるくんは春くんのサングラスを 取ろうとして、春くんの腕を掴んだ。 逃げようとした途端、サングラスが外れてしまった。 「えっ?お、お前…。 もしかして…俳優の…春?」 たけるくんは驚いて私の顔を見てきた。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加