最終話 好きな人

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春くんは慌ててサングラスを掛け直した。 「えっ?どうして俳優の人がここにいるの?  千秋ちゃん?  まさか、知り合いなの?」 私は返事に困っていた。 「それが…話せば長くなるっていうか…。」 私が困っていると春くんが話し始めた。 「まさか…二人は付き合ってるんですか?  俺…邪魔したかもしれないですね…。  俺…帰ります。」 「えっ?まっ、待って!  春くん…。」 私は慌てて春くんを追いかけた。 春くんの手を掴んで必死で話した。 「お願い、待って!  話したい事沢山あるの!  私の話し聞いて!」 「話しって彼の事ですか?  付き合ってるって事ですか?  だったら聞きたくないです。  俺…すみません…。  もう…時間ないんで、  行きます。」 そう言って冷たい態度で春くんはタクシーに乗って行ってしまった。 話もまともに聞いてもらえずに、私はその場にしゃがみ込んだ…。  
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