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なかなか本題に入らない篠山に辟易する。
その気配を感じ取ったのか、漸く篠山は本題を話し出した。
「藤野ゼミの濱中って知ってるかよ?」
「あー、濱中ね」
大学で薬のバイヤーをやってると噂になっていた奴である。
東雲商会と言う反社的な組織の擬装会社の関係者らしく、真っ当な人間なら絶対に関わりたくない人物だと噂を聞いていた。
「東雲商会で金が盗まれた噂をしっているかヨ」
「あっ、聞いたんだな。でも、あれ暗号資産だったき気がするんだな。誰かがそのまま海外サイトに資産放り込んだとかだった気がするんだな」
俺は初耳なので何の判断もつかないが、何となく方向性は分かってきた。
「要するに? この宝探しとどう繋がるんだ?」
「暗号資産を盗んだのは濱中だって話だヨ。現にあいつ最近大学に来ていない。最後にその姿を見た先輩が、逃げるように走り去る濱中が落とした地図がこれなんだそうだヨ!」
その話を俺と藤田は呆れ気味に聞いた。
何処が宝の地図かと。
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