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かすみは、綺麗所ばかりの菊華楼の中では平凡な容姿で、顔にはそばかすがあり、名前を決めるときに他の色子の中では霞んでしまうだろうというところから、かすみと名前が決まった。
「いくら月野様の予約が入ってるからって、玄関まで迎えに出たら他のお客様に示しがつかないだろう?なんせ月野様のときだけ出迎えてるんだから!」
「月野様は、幼なじみがたまたま再会したので…。」
「だからって他のお客様より肩入れしていいってわけじゃないだろう?!」
「ねえ、そこまでにしなよ。外まで聞こえてるしさ。女将。」
「すみません。月野様!」
「いいよ。かすみ、上に行こうか。」
「はい!」
月野と呼ばれたスーツの青年はかすみの肩をだき、階段を登って上の部屋に向かった。
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