そばかす

かすみの部屋についた。彼はフーと息をついた。
「お母さんうるさいんだもん。」
「お前が自由だから怒られるんだろ。」
「だって、ホタくん時々しか来てくれないから待ち遠しくて迎えに行きたくなっちゃうんだもん。」
「仕事、忙しいから仕方ないだろ。」
「分かってるけどさ…。」
「僕ばっかりに贔屓してちゃだめだろ？」
「だってホタくんが大好きなんだもん。」
「あと、ホタくんて止めろって何度も言ってるだろ。」
「だって、月野 蛍だからホタくんて可愛いでしょ？」
「何で、両親はセーラームーンオタクなんだか。」
「月野って名字だから仕方ないよ。ホタルって名前も可愛いしさ。」
「可愛いのが嫌なんだよ。」
「おれはホタくんの全部が好きだよ？」
「僕も、まあ好きかな…。」
「まあって…。酷いなあ。」
蛍は、ぶすくれた顔のかすみが酷く愛しく思えてふいにかすみの唇にキスをした。