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部屋に着いて2人きりになった。先に口を開いたのは蛍だった。
「どうしてこんなとこにいるの?中学の卒業式から音信不通になってたでしょ。おじさんとおばさんもいなくなるし。」
「借金があって、ここに売られたんだよ。」
「君が?キレイでもないのに。」
「相変わらず毒舌だね。」
「そんなにころっと変われないよ。」
2人は幼稚園から中学まで一緒の幼なじみだった。
「おれはあの頃とは、違う。好きでもない人に抱かれて借金返してる。」
「…。おじさんとおばさんは?」
「借金返してここを出るか、30過ぎてクビになって出るか、身請けされるかしないと分からないんだよ。」
「僕が調べて君に教えるよ。」
「時々優しいんだよね。ホタくんは。」
「心配だろ?」
「みんな我慢してることだからいいよ。それとも、ホタくんが俺のお客になってくれる?」
蛍は急にかすみを抱き締めた。
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