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ここは、現代東京。しかし、その一画に花街遊郭ができていた。
廓が立ち並ぶ中、菊花楼という廓の中。
板張りの廊下をバタバタと足音をさせて玄関まで走ってくる音がする。
その音を聞いて、またかと顔をしかめていたのは廓の女将。節子だ。
「またかい!かすみ。玄関までお客様を迎えるのはやめろと言ってるだろうに!」
「だって、お母さん…。」
「だってじゃないよ!お客様の贔屓も叱られてるだろう!部屋で待ってな。」
「久しぶりだから…。」
シュンと項垂れたのはかすみ。
男の身で色を売る色子である。
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