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あの子の正体
「……何のこと? 冬川なんて知らないけど?」
「やっぱり」
「え?」
「その笑顔……冬川さんでしょ?」
私は慌てて笑顔を引っ込めた。
「ナンパなら他をあたって」
歩き出そうとすると、
「いいのかなぁ。クラスのマドンナの冬川さんがこんな格好で夜遊びしてるなんてバレても」
意地の悪い笑みを浮かべている。
「だから、私じゃないってば!!」
彼は驚きの表情を浮かべた後ニヤリと笑った。
「冬川さんって、そんな顔するんだ」
「だから違」
「へー、じゃあ、これ友達に見せてもいいよね?
オレを助けてくれた女の子だって」
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