3章:転機の領地視察

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『失礼いたしました。騎士団に入団するまでは共和国に留学しておりましたので、思わず。では改めて申し上げます。その証言だけでは不十分です。今一度お考え直しを』   『貴様! なんと無礼な……! あぁ、そういえばお前とベアトリスは遠縁だったな。さては身内の悪事を隠蔽するつもりか!』 『いえ、そのようなことは致しません。私は騎士として、改めて捜査の続行を進言して──』 『うるさい、黙れ! 俺は進言など求めておらん。お前をこの事件の捜査から外す。これは王太子命令だ!』  憤るフェルナンに対し、ユーリスはいつもの冷たい無表情のまま頭を下げ去っていった。  車窓を流れる景色を眺めながらフェルナンが過去を思い出していると、目の前で「うぅん」という小さな声が聞こえてきた。  視線を向ければ、ベアトリスが寝ぼけ(まなこ)を擦っている。 「……あれ? 私、寝てました?」 「あぁ、ぐっすりとな」  
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