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寝顔を見られたのが恥ずかしかったのだろう、照れくさそうに視線をそらすベアトリスは年相応にあどけなく可憐だ。
呪具を用いて異母姉を陥れる悪女には見えない。
(こいつは本当に罪人なのであろうか。まさか俺は、重大な間違いを犯したのではないか……?)
焦りにも似た激しい不安に突き動かされ、フェルナンは身を乗り出して問いかけた。
「ベアトリス。お前は本当にあのネックレスが呪具だと知らなかったのか?」
「へ?」
「へ? じゃない。寝ぼけていないで、さっさと答えよ」
「ええ、もちろんです。私は本当に知りませんでした! と言っても、信じてくれないでしょうけれど……」
「いや。今回は、お前を信じてみようと思う」
「……信じる? 私たち親子を追放した殿下の口から、そのようなお言葉が聞けるとは思いもしませんでしたわ。いったい、どのような心境の変化でしょうか?」
ベアトリスが疑うような眼差しを向けてくる。
「もし本当に信じてくださるのなら、私の父も交えて弁明の機会をお与えください」
「いや……そのこと、なんだが……実は……バレリー卿は……」
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