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ベアトリスは自身が話すだけでなく、まるで通訳のように会話を自然に繋げ、仲を取り持ってくれる。
おかげでフェルナンは赤っ恥をかくことなく、最後には握手をして共和国貴族はご機嫌に去って行った。もくろみが外れたヘインズ公爵は悔しげに眉間にしわを寄せ、ふん!と鼻息荒く退散する。
フェルナンはベアトリスに身を寄せ、コソッと尋ねた。
「お前、共和国語が話せたのか!?」
「ええ、日常会話程度なら。幼少の頃から習っていたので」
「そうだったのか、知らなかったぞ。それより、さっきの公爵の悔しそうな顔を見たか? まさか俺の婚約者がこんなにも有能だとは、完全に誤算だったのだろう。ハッハ、いい気味だ!」
「殿下、“本物”は共和国語を話せないので、怪しまれないよう用心してくださいませ」
「ああ、そうだな。“本物”にも学ばせなければいけんな」
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