1049人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺が不在の間、殿下がやってきたらどうします?」
「それは、自分でなんとかするから大丈夫よ、ほら早く仕事に戻って」
口ではそう言ったものの、誰も信用できないこの状況で彼と離れるのは正直不安……。
(だけど、これ以上お仕事の邪魔をして迷惑をかけられない)
もう一度「大丈夫だから」と言うベアトリスの横で、ポールが手を上げて一歩前に出た。
「それでしたら、ユーリス副団長が不在の間、僕がベアトリス様をしっかりとお守りします! お任せください!」
「ほら、ポールもこう言ってくれているし、なにも心配いらないわ」
「……分かった、すぐに戻る。ポール、頼んだぞ」
「はい! お任せください!」
後ろ髪を引かれるようにユーリスが出て行った後、突然部屋にセレーナがやってきた。
ここに居るはずのない異母姉の登場に、ベアトリスはひどく驚き尋ねた。
「セレーナ、貴女、いつきたの? というか、そもそも何故ここに?」
「殿下がね『身代わりはもう終わり』だって……ふふっ、ご苦労さま」
「え? 終わり? この視察が終わるまでの予定だったけど……本当にフェルナン殿下がそう言ったの?」
「うふっ、うふふふ……」
最初のコメントを投稿しよう!