4章:悪女の汚名返上いたします

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 バレリー家はあらゆる手段を講じてセレーナの過去を調べようとしたが、騎士団同様、身元の特定には至らず。 「我が家を(おとし)めたあの娘に、必ずや報いを受けさせなければ……」  セレーナの化けの皮を剥いでやろうと躍起になっていた夫人は、調査の成果が出ないことに苛立ち、ついには神殿関係者まで屋敷に呼びつけた。 「この娘の過去を見ることはできませんでしょうか」 「過去視の聖魔法を使える聖女は、残念ながら今代ではおりません」 「では、この娘が聖魔法を使って顔を変えているということは?」 「それは十分にありえます。では、魔封じの道具を使ってみましょう。聖魔法で変身しているのであれば、真の姿になるはずです」  あぁ、ついにバレてしまう。もう終わりだ……と、セレーナはとうとう観念した。
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