4章:悪女の汚名返上いたします

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 だが魔封じの道具をつけられても、この美しい容姿は変わることがなかった。  どうせ魔法で容姿を変えているんだろうと高を括っていたバレリー夫人は「そんな……」と打ちひしがれた様子でその場に崩れ落ちる。  それ以降、夫人はますますヒステリックになり、夜な夜な伯爵と言い争うようになった。 「あのセレーナという子、本当に身に覚えがございませんの?」 「だから、ないと言っているだろう」 「だったら何故あんなに、ベアトリスに似ているんです!?」 「僕にも分からないよ。はぁ、もうやめよう。我々が口論しても仕方が無い。あの娘の件は、今こちらで検討しているから……」 「どうすると言うのです? 野放しにすれば、また貴方の隠し子だと騒ぎ立てるでしょう。いっそ、消してしまえば……ほら、そういう汚れ仕事を請け負う組織も……ありますでしょう?」 「おい! 馬鹿なことを言うな! 我がバレリー家は、非道な行いは絶対にしない!!」   「馬鹿、ですって? わたくしの気も知らないで……! もう貴方のことは信用できませんわ。勝手になさってくださいませ!!」    夫人は顔を歪ませ、夫の顔を見たくもないと言った様子で夫婦の寝室から出ていった。    それ以降、彼女は自分の部屋に引きこもり、心を病んでついに亡くなった。
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