1章:悪役聖女の脱獄計画《プリズン・ブレイク》!

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「『へ?』じゃありません。さっさとしてください」 「え? ええ、そうね……じゃあ、ありがたく…………って、お、おおおおっ、お風呂ォ!?」    個室にふたりっきり、そして入浴、してほしいコト……。    ハッ! まっ、まさか……!   (コイツ、私のカラダが目当てなのね──!!)  ベアトリスは両手で胸元を隠し、後ずさりながらユーリスを睨んだ。 「少し会わない間に、貴方すっかりろくでなしになったのね! いいえ、今までは猫を被っていたのかしら」 「…………はい?」 「『はい?』じゃないわよ! 生真面目な人だと思っていたのに、すっかり騙されたわ! 部屋に連れ込んで、無理やり……だなんて。アナタ、ちょっと顔がいいからって……見損なったわ、この破廉恥騎士! 変態! すけこまし!!」 「すけこまし……」    ユーリスは頭痛をこらえるように片手で額を押さえ、上品な容姿に似合わぬぞんざいな口調で呟いた。   「なにを勘違いしているんだか…………めんどくせぇな」 「今『めんどくせぇ』って言ったでしょう! 聞こえてるわよ!! いいこと、私はそんな安い女じゃないの。囚人に身を堕としたからといって、好き勝手できると思ったら大間違い……って、あわわっ!」  話の途中でユーリスが急に歩み寄ってきたため、ベアトリスは驚き慌てた。 (な、ななな、なに、いったいなに!?)  
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