*序

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*序

 世界の西と北の境目の端っこには、マギーと呼ばれる私たち人間だけが住む世界よりほんの少しおとぎ話の世界に近いような街がありました。  マギーは深い山間の、そのまた深い森に囲まれている集落で、人々――人間も、角や耳や尻尾のある半獣人も――はその集落で暮らしているのです。  その集落のすぐそばの鬱蒼(うっそう)とした森の中にはマギーに住む魔法使いたちの家が点在していて、マギーに住む人々は時折魔法使いを訪ねて頼ったりしているとも言われています。  魔法使いはただ不思議な力としての魔法を使えるだけでなく、薬草で薬を作り出したり、占いをして迷いを晴らしたり、空を飛んでマギーの街を見回ったりしたりするのです。  そんな魔法使いのなかの一人もとで暮らす、とある見習い魔法使いのささやかな日常と初めての恋の話を始めましょうか――
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