151人が本棚に入れています
本棚に追加
/179ページ
入学したころから…というか今までの人生、わたしのキャラってブレてなくって。
特にこのクラスになってからは「ジミーちゃん」なんてあだ名まで付けられてる。まあみんな気さくないい子たちで、悪気があって呼びはじめたわけでもなくいっつも「愛着わくわー」なんて頭を撫でられたりしてくる。
そうくるだろうな、と思った通り、キョーカはとがらせたわたしのくちびるをキャッキャと笑って指で挟んでくる。
「かわいい!愛嬌はあるもんね、今日もバッチリだよ」
「あひがりょ」
ありがと、とつぶやく。わたしが人生で最も多くもらっている褒め言葉が「愛嬌はある」だ。だからうれしい、と思うことにしている。
キョーカはそこからしばらくわたしの顔のいろんな部分をつまんでひとしきり遊んだあと「そうだ、今日から学園祭の準備だって」って楽しみそうに笑った。
なんですと。まあ、たしかにもうすぐ夏休み入るし、そろそろかとは思ってたけど。
去年ぶりの学園祭。そして最後の学園祭。いくら地味なわたしでも楽しみじゃないわけがない。
「やー!このクラスまとまりあるから絶対楽しいよね!」
「ね!制作もさー、何にしようかなって考えてるんだー。あと天才の作品も楽しみっ」
衣装制作発表が一番のイベント。わたしもどうしようかなあ。1か月しか準備期間ないし、やっぱりミニドレスで落ち着こうかなあ。
あの天才は、1か月もあれば大作を作ってくるんだろうけど。
最初のコメントを投稿しよう!