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今夜はさっそくデザインを描いてみよう。
「マロンはショーステージどうするの?」
マロンがいるプロデュース科は何人かでグループを作って自分たちで選んだモデルのメイクもヘアアレンジも衣装もすべてプロデュースしてショーステージに出してそれを審査員が評価して成績が決まる。
プロデュース科に入る時だけ希望者のテストがあってそれに合格しないと違う科に入ることになってしまう。
選ばれた人たちと言ってもいい。そんな科のショーステージはかなり注目されていて、出し物の大トリだったりする。
「それがさ、一応グループは決まったんだけど、みんなでモデル見つけてきてもあいつが全然オッケーしなくって」
「あいつ?」
「うん。天木千歳」
「えっ!マロン、あの天才と同じグループなの?」
こくりと頷く。その嫌そうな表情に、相当なわがまま男だってことが読み取れる。
天木千歳はこの学校屈指の天才だと言われてる。
すでに何度かプロに混ざってファッションコーディネーターの仕事もしてるし、とにかく才能があって、一足先に決まっているらしい就職先は海外だっていううわさもある。
ただし性格に難あり。
天と地ほどの差がある人物だからまったく関わったことないけど、マロンから何度か話しを聞くことはあった。正統派マロンとは合わないのによりによって同じグループになっちゃったんだ。
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