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わたしはうしろ向きのまま廊下を足早に歩かされる。
危ないんだけど前を向くのがこわい。本当にあの天才だった?幻覚かもしれない…なんてことあるわけない。
じゃあなんで!?
関わる要素がまるで見当たらない。わたし、どこに連れていかれるの!?
予想もしていなかった出来事に頭がついていかない。ただただパニックになっていると、わたしを連れて歩いていた足が止まった。
背中と背中が当たる。やっと、おそるおそる前を見ると、あの天才の後ろ姿が目の前にあって、ひっと悲鳴がもれそうになる。
落ち着いて!なに、なに何の用!?なんかしたかな。でもジミーなこの人生、こんな人になにかするほど大きなことはしていない。
立ち止まったと思ったら、すぐ横の教室のドアを開けはじめた。そしてそこの中にわたしごと中に入っていく。
「ちょっなに!?」
いい加減にして!ここ。プロデュース科の教室じゃない!マロンに用があっても入ったことないのに!
「あれ、あんた天木と何してんの?」
さっきまで一緒にいたマロンがぽかんと話しかけてくる。ぽかんとしてる場合じゃない。こっちが聞きたいっ…何が起こってるの?
ふるふると首を横に降って、とりあえず自分でもよくわかっていないことを全身で伝える。
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