SP缶助&白柴りんの出動日記2

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「みんな!聞いてくれ! 今、本庁の刑事部長から連絡があったのだが 西多摩郡奥多摩町民家で立て籠もり事件が 発生していたが、犯人は警官の目を盗んで 子供を人質にして奥多摩の山中に逃げ込んだとの連絡があった。 子供の名前は、如月有志君5歳の男の子 犯人は峰岸智35歳、先月府中刑務所を出所 したばかりで、妻に逃げられ職もなく 金に困って自暴自棄になり犯行に及んだと見られる。多摩警察でも警察犬を出動させて 追跡しているらしいが、現場は広範囲の山岳地帯 そんなに遠くには行ってないと思われるが、 そこでだ、東京都では嘱託警察犬の依頼は ないのだが、木戸刑事直々の推薦で 刑事部長に『りん号』の出動をお願いしたらしい そこで、特別に『嘱託警察犬りん号』に 出動依頼があった、どうだ?缶助!やれるか?」 「はい!やらせて下さい!」 りんの初仕事!犯人の追跡、子供の保護 初仕事にしたら重大な任務だ! 隊長がりんの前にしゃがみ込み 「りん!初仕事にしたらお前には少し荷が重い かもしれない、しかし木戸刑事の推薦だ! 頑張ってくれ」 隊長がそう言ってりんの顔の前に手を差し出した その手をりんがペロっと舐めた。 「そうか、やってくれるか! よし、長谷川!加納!缶助とりんの補佐を しろ!俺が刑事部長に連絡すれば すぐに県警のヘリがここに来る、 全員出動準備だ!」 隊長の掛け声で一瞬にして緊張感が増す。 警察犬のジャケットをりんに着せ 僕達もすぐに着替えて、上着に『呑辺・SP』 と書いてあるジャケットを着て ヘリの到着を待った。 隊長は、社長(義父)に連絡し、了解を貰った上で 新生『呑辺・SP』全員の初出動となった。 夏凛さんも僕とりんのところに飛んできて 「缶ちゃん、りんちゃん!頑張ってね 充分気をつけるのよ! 隊長!長谷川さん!加納さん! 私の大事な夫とりんをよろしくお願いします」 と頭を下げていた。 「お嬢様、大丈夫です!僕達がついていますから 安心していて下さい」 夏凛さんは今にも泣き出しそうな顔で僕とりんを 見ていた。 そこに県警のヘリが到着。 ヘリに乗り込む4人の男達と『りん号』 緊張の初出動!ヘリが奥多摩へ向けて 飛び立った。
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