SP缶助&白柴りんの出動日記2

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その時、長谷川さんが戻ってきた。 「隊長!犯人の血液型はA型で、 まずい事に子供の血液型もA型らしいです」 「そうか、あとはこの血液が何型かわかれば...」 今度は、鑑識さんが隊長の所にきた。 「近藤さん!血液型が判明しました! この血液はA型です」 「まずいな、犯人のものか、子供の物か 今の時点ではわからない、 缶助!このままりんに跡を追跡させるんだ」 「はい!」 「長谷川!缶助とりんのサポートをしろ!」 「はい!」 りんにリードをつけ、血液の跡を追わせる 「りん!犯人の跡を追うんだ!」 そう言うと、りんは地面に鼻を擦り付けるように 微かな匂いを追いかけた。 長谷川さんが後ろから何かをしながら 僕とりんの後をついてくる。 何をしているのか気になったが りんの足が止まらないのでそのまま歩く、 しばらく行くと小さな小川が流れていた。 りんが小川の岸辺で止まってしまう、 長谷川さんがすぐに来て 「どうした?匂いが消えたか?」 長谷川さんは、小川の下流、上流をしばらく見て いた。 「缶助!ここは、上流だ!向こう岸に渡って 上流に行け!」 なぜ、上流なのかわからなかったが りんを抱き抱え小川を飛び越えた。 そして上流に向かう。 暫く行くとりんがまた匂いを嗅ぎ出した。 「りん!何か匂うのか?」 またまた鼻を擦り付けるように歩き出すりん。 しばらく行くと白っぽい物が木に引っかかって いた。 急いでそばに行くとそれは小さな布の切れ端 だった。 「長谷川さん!これはなんでしょうか?」 引っかかっている枝ごと折って長谷川さんに 見せた。 切れ端には赤い血のような色が付いている。 「これは、服の切れ端だな、それにこの色は 血で、まだ乾いていない、そんなに時間は経っていない証拠だ 軽い傷じゃない、深傷を負っている 可能性がある、それに現時点では犯人か、 子供どちらが怪我をしているのかわからない 早く探さなくては行けないな、しかし......」 そこで長谷川さんが腕時計を見る。 「缶助、今日はここまでだ、戻る事を考えたら ここらで引き返さなければ......」 「どうしてですか!もう少しいけば追いつくかもしれません!何故引き返さなきゃいけないんですか!」 「山は暗くなるのが早い、暗くなったら方角も 何もわからなくなる」 「子供はどうするんですか!このまま放っておくんですか!」 「落ち着け!缶助、犯人だって馬鹿じゃない 夜を凌げる所を探すだろう、だから明日早朝から また捜索を開始すれば、犯人には必ず 追いつける、だから今日はここまでだ 戻るぞ、缶助!」 「なんでですか!僕は子供を放っては おけません!」 「ばかやろう!夜の山がどんなに危険か わからんのか!俺たちに何かあったら 隊長にも他の警官達にも迷惑をかけるんだぞ! よく考えろ!俺だって子供のことは心配だ! すぐにでも探しに行きたい! だが、現状を良く考えろ!今どうしなければいけないのか......」 「じゃあ、長谷川さんは戻って下さい、 僕ひとりで探しに行きま......!」 『バキッ』 長谷川さんが僕を殴った。 「これだけ言ってもまだわからんのか! 明るくなってから大勢で探せばいいんだ! 二重遭難したいのか!SP失格だぞ!缶助! 良く考えろ!」 「.....................」
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