SP缶助&白柴りんの出動日記2

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「子供が心配なのは、誰も同じだ! お前だけじゃない......それに怪我をしているのは 子供じゃない、犯人の方だと思う」 「何故ですか?」 「この切れ端だよ、今思い出したんだが、さっき鑑識の人に犯人の服装を聞いたんだ、そしたら白のワイシャツのような 物を着てたらしい、この切れ端はワイシャツの 生地だよな、多分腕を何かで切ったんだろう 多分この辺だと思う」 長谷川さんが自分の二の腕にその生地を当てて 僕に説明してくれた。 「それに子供が来ていた服は白じゃない 紺色のトレーナーだったそうだ、 だから怪我人は犯人の方だろう」 その時、誰かの声が聞こえた。 「長谷川〜!缶助〜!どこだ〜!」 隊長の声だった。 「どうして隊長がここを?」 僕が不思議がっていたら、長谷川さんが 「俺がここにくる途中の木に印をつけてきたから 隊長はそれを見つけてここまで来たんだろう 隊長〜〜!ここですよ!!ここ!ここ!!」 「お〜っ!そこにいたか............ どうせ、缶助が「戻らない」とでも言っていたんだろう」 「隊長!良くお分かりで」 「そんなことじゃないかと思ってたよ、 そう思って野営の準備してきたぞ、 加納!ここで野営だ!テントを張れ」 「はい、5分で設置できますから 少々お待ちを」 と言いながら、加納さんがあっという間に テントを設置してしまった。 「食料は、コンビニのおにぎりとパンだ! それと水だけ、子供と犯人の分は残しておけよ」 この人達って言葉に出さなくても 通じ合っていると言うか、信頼し合っていると 言うか、阿吽の呼吸と言うか......... すごい人達だ!僕もこの人達の中に 入れるのだろうか......さっきは長谷川さんに 生意気な事を言ってしまった。 「長谷川さん、先程は生意気な事を言ってしまってすみませんでした」 僕は、心底反省した。 帰り道の事など気にもしていなかった。 長谷川さんがつけた印で隊長達と合流できて 本当に何もわかっていないのは 僕だったのだ、正義感ぶって基本を 何もわかっていない、隊長も加納さんも 僕がゴネていることもわかっていたんだ、 だから、こうして野営までしてくれた。 「隊長!長谷川さん!加納さん! どうもすみませんでした。 何もわかっていなかったのは、僕でした! 本当にすみませんでした!」 テントの中で3人に頭を下げた。 「缶助!もう1人にも謝らなきゃいけないだろう なあ、りんちゃん」 「あっ!そうでした! りんちゃん!疑ったりしてどうも すみませんでした」 「わん!」 「りんお嬢は許さないってよ、 どうする?缶助」 「勘弁してくださいよ〜もう!」 「冗談はともかく、明日は早朝から 捜索するからな、 りんと缶助が先頭でその後ろに俺達が横に広がり 周りの様子を見ながら進む、 子供を人質に取られている事を忘れるな 様子を見ながら臨機応変に進めるようにな」 「了解です」 3人同時に返事をした。
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