SP缶助&白柴りんの出動日記2

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本当に日が暮れた山は暗くて周りがわからない 空はまだ明るいのに木々が光を遮り 辺を余計に暗くする。長谷川さんの言っていたことは本当だった。 新潟生まれの僕でも夜の山などには入った事は なかったので、本当に知らなかったのだ。 それに僕は基本indoor派だったから...... 「明日は、朝早いからな!少し時間は早いが もう寝ろ!」 隊長はそう言ってたが、 中々寝付けなかった.........どれくらい経ったのだろうか、隊長の声でウトウトしていたのが目が覚めた。 「どうしたんですか?隊長?」 「チョット静かにしろ!............... 子供の泣き声が聞こえたようだが............ 気のせいか?」 4人で聞き耳を立てる。 「うわ〜〜ん!ママ!怖いよ〜〜!」 確かに聞こえた。子供の泣き声だ、 さっきまで何も聞こえなかったのだが 何故急に子供が泣き出したのか? 犯人に何かあったのだろうか? 血液の跡があれだけあったのだから もしかして出血が多すぎて犯人が............ しかし、外は漆黒の暗闇 どうにも動けない、動きようがない。 万が一出血多量で犯人の命に関わるとしたら 「隊長!どうしますか?」 「う〜ん、この暗闇じゃどうにも動けないし 困ったな.........加納!懐中電灯は 何個持ってきた?」 「はい、高光度の物がふたつと普通の物が ふたつです」 「そうか、みんな!外に出ろ!」 「はい!」 隊長の指示で4人とも外に出る。 「ここに出来るだけ大きな穴を掘れ」 隊長が丸く円を地面に描いた。 何をするのかわからないが言う通りに 全員で棒切れを使い穴を掘った。 「この穴で火を燃やすぞすぐに木を集めろ」 4人で近くにある木片やら焚き木を集めた それを穴に入れる、隊長がビニールなど 燃えやすいゴミに火をつける。 木材が燃え出しあたりが明るくなる。 「さて、りんお嬢の出番だぞ! りん!犯人の居場所を見つけるんだ! 缶助!りんの誘導任せたぞ! 加納は、火をどんどん炊け 遠くからでも見やすいように、 絶対に消すんじゃないぞ!いいな!」 「よし、あとは俺たち3人で子供のところへ 行くぞ!りん!お前の鼻だけが頼りだからな 犯人の所に案内してくれ、缶助!行け」 「りん!犯人の居場所を探すんだ!」 りんも状況がわかったのか地面に鼻を擦り付けるかのように匂いを頼りにゆっくりと 進んでいく。りんの行く先の方を懐中電灯で 照らしながら少しずつ進む。 子供の泣き声が聞こえなくなってしまった。 犯人が気がついて子供の口を押さえたか? しかしりんは少しずつだが確実に前に進んでいる 隊長が子供の名前を呼ぶ。 「有志く〜ん!どこにいるんだ! 聞こえたら返事をしなさ〜い!」 「ママ〜〜〜!!」 声が聞こえた!近くにいる! 懐中電灯で辺を照らす、すると 太い木の根元に人影が見えた! 「隊長!いました!子供が!有志君がいました 犯人は、子供の横で倒れています」 隊長と長谷川さんが駆け寄ってきた。 子供は無傷だった。しかし犯人は上半身が 血まみれだった。 予想以上の出血のようだ。 「これは、まずい!出血が酷すぎる! 動脈が逝ってるかもしれんな! 一刻を争うぞ!」 隊長が犯人の腕傷口のすぐ上を縛り上げた。
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