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SP缶助&白柴りんの出動日記2
僕が空手黒帯初段をもらって数週間が過ぎた。
初段を取れて嬉しかったがさらに嬉しいことに
りんが近藤隊長率いる『呑辺財閥SP』
に正式配属になった。
ある朝の散歩で、色々考えながら
りんと歩くいつもの道......
嘱託警察犬の資格を優秀な成績で卒業した、りん僕だって負けてられない。
りんの警察犬としての能力を最大限に
引き出してあげられるように
誘導の仕方を訓練士さんにみっちりと指導して
もらった。
だが、まだまだ駆け出しの1人と1匹
僕がしっかりとりんを誘導してあげないと...
そんな事を考えながら歩く散歩道、
りんが急にリードを引っ張って来た。
「何してるの、りん!さあ、行くよ」
ふと、周りの景色を見るといつもと違う。
いつもの曲がり角を曲がらずにまっすぐ
来てしまったようだ。
りんが曲がり角で踏ん張ってリードを
引っ張っていた。
りんが、僕の顔を見て
「しっかりしてよね、缶ちゃん!」
と言っているようで、
僕がりんにしっかりと誘導されていた。
「ごめん、ごめん!ここ曲がるんだった
遠回りする所だったね、
夏凛さんがご飯を作って待っててくれるよ
急いで帰ろうか、競争だぞ!りん!」
昔の僕だったら少し走ったくらいで
『ひ〜ひ〜』言っていたのに今はいくら走っても
どんなにスピードを上げてもなんて事はない
身体が鍛えられて行くのが楽しみのひとつにも
なった。
夏凛さんが僕の身体を見て
「昔の缶ちゃんとは大違い!逞しくなったね
この大胸筋、それにお腹のシックスパック
すっご〜い!」
と言いながら僕に飛びついてくる、
最近は、そんな夏凛さんを軽くお姫様抱っこが
出来るようになっている。
夏凛さんを守る為に僕は強くなる
今より、もっともっと強くならなければ
りんと走る散歩道あっという間に
家に着いてしまった。
玄関を開けると、相変わらず
「お帰りなさいませ、若旦那様」
と、メイドさん達が数人で迎えてくれる......が
いつまで経っても、このsituation(シチュエーション)には慣れない...お尻のところがこそばゆく
なってしまう僕だった。
超お嬢様の夏凛さんだが、僕の朝食は必ず
夏凛さんが作ってくれる。
ハードなトレーニングにも耐えられるようにと
色々試行錯誤しながら......
りんの散歩から帰ってくるまでに作り終えて
朝食は必ずふたり一緒に食べる、
もちろんりんも一緒に。
夕飯は、余程のことがない限り呑辺家全員揃って食堂で食べる事になっている。
毎日が高級レストランで食べるような夕飯。
最初の頃は食事の度に緊張しまくりだったが、
ここ最近やっと慣れてきたような感じがする。
今日も道場に行き
いつものトレーニングをこなしていたら、
隊長が神妙な面持ちで道場に入ってきた。
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