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僕には2人の言っていることが理解できない。
「どうして……2人はそう言ってくれるの?」
そう聞くと母が答えた。
「そうねぇ、本当なら学校に行って魔法を学びながら青春を謳歌するんでしょうけれど、フォスがそれを望まないのならばそれでいいのよ」
「そうじゃ……なくて……」
言いたいことが喉に詰まって声にならない。
「僕が知ってるんだから2人が知らないわけがないよね……魔法学園に入学しなかった14歳以上の子供は家族ともに排除対象なんだよ……」
「知ってるさ……だけど、息子が望まない道を進ませて死と隣り合わせの世界に放り投げる訳にはいかないだろ?」
父も母も優しすぎる。
僕が甘えてしまうと分からないのだろうか。
そんな会話を遮るようにして玄関がノックされた。
「はーい」
母が玄関の扉を開けるとアンサスがいた。
「こんにちは。フォスっていますか?」
何の用があると言うのだろうか。
「いるわよ。どうぞ上がって」
僕は素早く2階に上がろうとする――が父に腕を掴まれて引き止められた。
「あ!フォス!」
アンサスに見つかる。
「フォス、こっちに来て。お話しよう」
嫌だ――その一言が言えなかった。
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