2人が本棚に入れています
本棚に追加
リビングの椅子に4人が座る。
僕の横に父が座り、向かいに母とアンサスが座る。
「用があるなら早く言ってよ……」
そう言うとアンサスはため息混じりに言った。
「フォスは魔法学校に入学するよね?」
さっきまで話していた内容だった。
父と母の顔を見てから言う。
「決めてない……」
「……ありえない」
少し間を開けて言い放ったアンサスからは失望の念を感じた。
「魔法学校に入学しなければフォスの家族がどうなるかなんて知ってるでしょ?」
「知ってるよ……」
「なら、選択肢は1つしかないじゃない!」
僕のことを知らないくせに勝手なことを言う。
そんな人間は腐るほどにいる。
「アンサスちゃん、落ち着いて」
アンサスの隣で母が言った。
父も続けた。
「アンサス、それは、みんなで話していることなんだよ。フォスが入学したくないのかしたいのか、全てはフォスに委ねているんだ」
そう言った父に対してなのか僕に対してなのかアンサスは声を荒らげて言った。
「ありえない!家族がどうなるのかも分かってるのに家族の優しさに甘えるの!?両親の仕事を奪うの!?フォスだけがどうなろうと関係無いけど、家族にまで迷惑かけるなんてありえない!」
最初のコメントを投稿しよう!