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そう言い放ったアンサスに対して僕の気持ちが昂った。
「アンサスに何がわかるんだよ!両親は普通に魔法学校を卒業して生活してるからアンサスが魔法を使えようが使えまいが何も言われないだろ!」
声を荒らげて言い放つ僕をアンサスはポカンとした表情で見つめている。
「僕の父さんも母さんも名を轟かせるほどの人たんだ!僕に何も害がないわけないだろ!魔法が不得意で使える魔法が少ないから?出来損ないだとか最弱だとか、落ちこぼれだとか言われてアンサスだって僕を気にかけてるようなフリをしているだけじゃないか!」
アンサスの目から涙がこぼれ落ちていた。
「結局アンサスだって、僕が魔法を使えずにウルフ1匹にも勝てないで怒るだけじゃないか……僕はアンサスみたいに好かれやすい人間でもないんだよ……魔法がもっと使えればって、女の子に庇われる男じゃなくてもっと力があればって……いくら考えたって努力したって実らないんだよ……」
そう言い放ちリビングを離れる。
階段を上り部屋に入って気がついた。
僕の目から涙が流れていたことに。
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