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𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲1
「ひゃぁぁぁ!だれかぁぁぁ!たすけてぇぇ!」
小さな森に響く僕の声が聞こえる。
「ガルルルルッ!」
後ろを振り向けば1匹のウルフがものすごい勢いで僕を追いかけてくる。
目線を前に戻すと目の前に石があった。
避けようとして足がもたつく。
「わぎゃっ!」
地面に顔を叩きつけた。
起き上がり顔をウルフの方に向けるとウルフは息遣いを荒くして僕に近づいてくる。
「グルルルゥ……」
僕は両腕で頭を庇いながら体を丸める。
もう終わりだと思った。
「φλόγα《フロガ》!」
体を丸くした僕の後ろから知った女の子の声が聞こえた。
その声と共にウルフの苦しむような声が聞こえる。
ゆっくりと顔を上げてさっきまでウルフのいた方を見るとそこには倒れたウルフと1人の少女が立っていた。
「アンサス!」
僕が彼女の名前を呼ぶと彼女は振り返り僕の方を見る。
少しずつ近づいてきた彼女からはものすごい程の怒りを感じ取った。
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