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「何でだーーー!!!!!!」
ゴホン、すいません。叫びました。隣の部屋の人…壁ドンしないで…ごめんなさい…調子に乗りました。
そう自分の部屋で叫んでいる俺、本宮一樹は、ネットに歌を投稿している。
ただ最近投稿しているコメントが…めっっっっちゃ気になる!!
<コメント>
いい声なのに、彼女さんの声かな?いつも途中で声が聴こえているんですよね~
<コメント>
ん~?女性の…「ここ」や「ここにいるよ」とかボソッと聴こえて驚きますね!!
<コメント>
1:30 ヤバ…
<コメント>
みんな言ってるけど…自分で女性の声を出してるとか?!それか…心霊系?
<コメント>
心霊?!
「心霊!!?」
震える手でヘッドフォンをつけ1:30の所を聴いてみる。
【君はぁ~どこへ~行くの~?(…ジジッ…ここにいるよ…)】
「ん?!!」
とヘッドフォンをサッと離し…心臓が、バクバクしていた。
「何これ何これ何これ何これ何これ何これ…」
驚いてパソコンの電源を落とし、画面が真っ暗になる。そこには、自分の姿ではなく長い髪の女性の姿がうつっていた。
「…いっ…キャーーーーーーー!!!!!!!!!」
叫んだ記憶はある…
だがハッと気づいた時、両手に塩と御札をたくさん持っていた。
どうやら無我夢中で、外へ出て買ってきたみたいだった。
そして、御札を両手に持って自分の部屋をウロウロと動き回る。
「おい~幽霊さんよ~!この部屋から、出ていってくれよ~頼むよ~」
ずっと部屋中をウロウロしているが、心霊現象が起こらない…
効いたか?効いたのか?
今まで何も気づかなさすぎて…俺がヤバいのか?幽霊がヤバいのか?
フゥ~
よしっ!もういないよな!
心置きなく歌うぞ~!!!!!!
そして、カメラ録音のボタンをカチッと押す。
歌いだそうとマイクに口を近づけた瞬間、目の前に髪の長い女性が
「…ここ……」
俺は、目が点になり叫んだ。また。
「いっ…キャーーーーーーーーー!!!!」
女性に、人差し指を突きつけ
「なっ何で、まだいるの!!?成仏できないの!?」
女性は、コクコクと首を振る。
俺は、白目になりながらも…急に、
「あぁーーーーーーーーーー!!!!!!」
と叫ぶ。
女性は、ビクッとなりながら俺を見る。
俺は、変なことを考えている。
ネットのコメントに嫌なことを書かれるし、動画再生数伸びないし…なら発想を働かせて
「幽霊さん!!一緒に歌ってみる?!」
女性の顔は、前髪で隠れているが…嬉しそうだった。
さっそく曲のパートを決めていた時に、ふと気づく。
どうやら幽霊さんが話せる言葉が、【ここ】と【ここにいるよ】しか言えないらしい…
俺は、幽霊さんに
「幽霊さん、俺がここまで歌ったらハモってくれるか?」
コクコク…
「よしっ!歌ってみるか!!」
と言い、歌ってみる。
【あなたは~ここに~いるのぉ~?(…ジジッ…ここにいるよ…)】
【同じ場所にいるのはぁ~(ジジッ…ここ)】
気がついたら、朝を迎えていた。
幽霊さんは、まぶしいので壁と物置の間に挟まっている。…そこにいたのかと思った。
テンションの上がった俺は、作業を終えて、
「投稿じゃー!!!ネット共、聴きやがれー!!!ヘッヘッへッ!!!」
朝まで起きていたが、目覚まし時計がなる。
それを消してシャワーを浴び、大学へ行く。
授業中、ふと考えていた。
「…あの曲の反応、どうなっただろうか?」
授業が終わり帰ろうとしていた時、
「おいおいお~い!」
と友人が話しかけてきた。
「授業、おつ!」
「おつ!って違う!お前、この曲すごいんだぜ!!」
「え?どんな感じ?……はっ?」
「今朝の投稿らしいんだけど…幽霊とコラボってヤバイよな?」
俺だー!!!!!!
うん、ほんとに大変なことがおきて…
頭がついていけねぇ…
「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ」
ガチャ
「幽霊さ~ん!大変!!俺と幽霊さんの曲、バズってるんだけどっっ!!!!!」
俺は自分の家に帰って、幽霊さんに報告をした。
すると幽霊さんは、フルフル震えながら…初めてポルターガイストをおこしやがった…
(ヒュンヒュンヒュンヒュン ヒュンヒュン)ガチャガチャ パリーン!!
「おっ…落ち着けー!!!!!!!!!!」
後日談だが、SNSなどで
【ネットに投稿した曲に、楽しそうに歌う幽霊が!!?】
と話題になっているそうだ。
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