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「…どうだった?」
全てのページを見終わったところで七海がそう尋ねると、修作は少し考えてから「絵のことはよくわかんねーけど…俺好きだよ、お前の絵」と答えてくれたので、七海はえへへと嬉しそうに笑った。
修作と知り合ってからもうしばらく経つけれど、お互いのことを知る時間はあまりにも短かった。あの時とは違う形で出会っていたら、もっとたくさん話をしていてもっと仲良くなっていたかもしれない。もしも…なんて考えたらキリがないけれど、そんな風に思うと切なくて、七海の胸はまたチクリと痛む。
「まだまだ知らないことばっかりだね」
「そうだな」
「…もっといっぱい、いろんなこと話したかったな」
そう呟くと、無性に悲しくなった。
「…話そうよ、これから」
そう言われて七海が顔を上げると、修作は優しく微笑んでいて。
「離れてたって大丈夫」
そう言って頭をワシャワシャと撫でる大きな手がとても温かくて気持ち良かった。
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