リスタート ※

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「あ…」 「なーに?」 「何かいつもと違うと思ったら…シャンプー」 「シャンプー?…あ!へへっ、今日は修くんと同じ匂いだよー」 「いやっ…そ、そうなんだけど…」 さっきまで落ち込んでいたのに急に無邪気な笑顔を向けられ、その変わり様に修作は思わずドキっとしてしまう。 「お前いつもいい匂いしてんなーって思ってたから…シャンプーの匂いだったんだな」 そう言って修作は、もう一度七海の髪に触れる。「髪サラサラだな」とひとり言のようにつぶやきながら髪を撫でる修作の手が時々耳や頬に触れて、その部分が燃えるように熱くなっていく。七海は久しぶりに身体の奥が疼くのを感じた。 もっと触れてほしい。もっと修作を感じたい。 湧き上がってくる感情に戸惑いながらも、その気持ちは徐々に高ぶりついには抑えられなくなる。髪に触れている修作の手を上から握りしめると、七海は視線を落としながら艶っぽい声で囁く。 「ねぇ修くん…えっちしよ」 「え……えぇっ!?」 「ダメ…かな?」 そう言って潤んだ瞳を向けると、修作は眉を下げて困ったような表情を浮かべていて、七海にはそれが少しだけショックだった。自分だけがこんなに気持ちを高ぶらせているのかと思うと、修作との温度差に落ち込んでしまう。七海が再び視線を落とすと修作は慌てて声をかけた。 「いやっ、ダメっつーかなんつーか…」 「……」 「おっ…俺、その…したこと、ないし…」 「うん、知ってる」 「う…や、やり方とか分かんねぇし、上手くできる自信ねぇ、し…」 「……」 「そ、そもそも心の準備が……っっ?!」
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