リスタート ※

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言葉をさえぎるように、七海は修作の唇をキスで強引に塞いだ。イライラした。理屈で考えようとしている修作も、本能に抗えない自分も。…だけどもう限界だ。やり方とか上手下手とか、そんなことどうだっていい。修作ともっともっと繋がりたい、望んでいるのはただそれだけ。 「ごめん、オレ…もう我慢できない…」 そう言って修作の首に両腕をまわすと、七海は何度も何度もその唇に触れる。ちゅっと軽く音を立てて触れては離れを繰り返し、時々熱を帯びた吐息が漏れて首に回された腕に力が加わるたびに、修作の思考も麻痺していった。 七海の伸ばした舌が修作の唇に触れた瞬間、それまで受け身だった修作の身体に急に力が入る。七海の腰に手を回してクンっと引き寄せると、修作はそのまま唇を一気に塞いだ。半開きだった七海の口腔内に舌を潜り込ませるのはとても簡単で、そのままゆっくりと舌を絡めて深く口づけると七海の身体はブルっと震え、行き場を失った唾液が七海の口元を伝う。修作とは今までこんなキスはしたことがなくて、七海の頭の中は混乱と気持ちよさで真っ白になった。 名残惜しげに唇が離れると唾液が糸を引いて、まるで離れたくないというように二人を繋げる。 「修…くん」 「ごめん俺、本当に初めてで…」 伏し目がちにそう言う修作の眉間のシワは、相変わらず取れないままだった。今にも泣いてしまいそうな修作の頬をそっと両手で包み込むと、七海は綺麗な瑠璃色の瞳を一層潤ませて囁いた。 「大丈夫、オレが教えてあげる」
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