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知り合いの所をひと通り回り終えたタイミングで七海から当番が終わったと連絡が来て、修作は待ち合わせ場所へと向かう。到着するもそこにはまだ七海の姿はなく、修作は待っている間、先程の七海の姿をひっそりと思い出していた。 あの時は化粧の面白さに思わず爆笑してしまったのだが、
(足、すげー出てた……)
スカートとハイソックスの間の肌色が目に焼き付いていて、思い返すと今更ながら照れてしまう。
「修作先輩!」
今日はエロい想像をすると名前を呼ばれるなぁ…そんな風に思いながら、修作は声のする方へ顔を上げた。
「…っ、ナナ?!」
目に入った七海の姿に思わず目を見開く。 瞼の上にはピンクベージュのアイシャドウが薄っすらのっていて、まばたきをするたびに目尻に少しだけのせたラメがキラキラと輝く。綺麗にカールして上を向いたまつげは七海の大きな目を更に引き立たせ、ほんのりピンク色の頬と艶っぽいぷっくりとした唇に、修作は釘付けになっていた。
「お待たせ!…あれ、友達は?」
「あっ…ぶ、部活の後輩んとこ…行った」
「そっかー、ちゃんと挨拶したかったんだけどなぁ……って、先輩?」
じっと見つめられ、その理由が分からない七海は小首を傾げて修作をのぞき込む。無意識にしたその仕草は普段なら軽く流せるのに、今日は化粧のせいでなんだか妙に色っぽく見えて、修作はたまらず目を泳がせた。
「女装とか…ビックリしたんですけど」
「ビックリした?へへー、ドッキリ成功!」
「…ってかナナ、さっきと全然違う…」
「ん?…あ、これ?えーたの知り合いの人がやってくれたの!」
「えーたって…モデルの友達?」
「そう!メイクさんなんだって!凄いの!姐さんだった!!」
「姐さん…??」
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