リスタート ※

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* 翌日、金曜日。学校が終わると七海はいつもと反対側の電車に乗りこむ。修作の家へ行くのは2ヶ月ぶりだ。電車に乗って数駅行ったところで連絡を入れておいたので、最寄り駅に着くと改札の前で待っている修作を見つけ、七海は大きく手を振って嬉しそうに駆け寄った。 駅から田んぼ道を抜けて約10分。修作の家に到着すると譜久田家一同、七海を温かく…を通り越して盛大に出迎えてくれた。「俺の送別会…だよな?」と小さく呟く修作を見て、七海は思わず吹き出してしまった。居間に行くともうすでにテーブルいっぱいに料理が並べられていて、「今日は修作の好きなものばかりなんだよ」と祖母が嬉しそうに教えてくれ、母の三和子が運んできたピカピカの山盛りご飯を見て、七海のテンションは一気に上がった。 修作の家に来るのはこれで3度目だ。1度目はまだ修作のことをあまり意識していなくて、帰り道で「友達になろう」と言われて動揺した。2度目は修作が空き教室で倒れていた時。その時はもう修作のことが好きになっていて、修作の体調を気遣い半ば強引に訪れたのだが、そこで修作の気持ちを知ることができてすごく嬉しかった。そして3回目の今日、こんなにも幸せで穏やかな気持ちでいられるのは、しっかりとお互いの心が通じ合っているから。
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