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修作の部屋は母屋から数歩の離れの2階にあり、七海は布団一式を抱えた修作と一緒に階段をあがる。三和子に客人用の部屋を勧められたのだが、修作ともう少し話をしたいと言って断った。
「服、俺のでもいい?」
「うん!ありがとー!あ、パンツは…」
「こ、コレは大丈夫!新しいやつだから!」
制服のまま修作の家に来た七海は必要な日用品はもちろん、着替えさえ持ってきていない。三和子に入浴を勧められた七海はTシャツとジャージを受け取ると、修作の案内で風呂場へと向かった。
風呂から上がり、脱衣所に準備されていた真新しいタオルで髪を拭く。ふわりと嗅ぎ覚えのある香りがして、七海はおもむろに自分の髪を掴んで鼻先へ運んでみた。
(あ、修くんの匂いがする…)
キスをする時、修作から微かに香る優しい匂い。それが今は自分からもしていて、何だか急にドキドキしてしまう。一度そう思ったら気になって仕方ないのだが…七海は大きく深呼吸をして早まる鼓動を必死に抑え、修作の部屋へと戻っていった。
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