死福☆しふく

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死福☆しふく

 霊廟から出てきたジャックの足元はおぼつかなかった。初めて知った快感に目が眩んでいる間に女はいなくなっていた。  今年こそは童貞を捨てようと、未成年とバレないように顔を覆うカボチャの仮面を作った。そうした矢先に極上の経験ができてしまった。  まだ興奮が冷めないのか、心臓が苦しいほどに脈打っていた。なんとか足を動かして帰ろうとしたが、さっき女を見つけた老木の根元までたどり着いたジャックは倒れ込んでしまった。 「はあ。はあ。ちょ、ちょっと。ここで。休もう。ああ。最高すぎた。天にも昇る気分だ」  ジャックは老木の大きな根に体を預け目を閉じた。やがて老木の根が、ゆっくりと起き上がると、ジャックの体を沢山の骨が眠る地中へと誘って行った。 〈THE END〉
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