第三章

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 顔を上げて、雪が久賀のそれの説明をしてくれる。 「か、堅くなります。あと、手がぬるぬるします」 「…………」 「ドクドクいってて、ビクビクしてます」 「…………」 「火傷しちゃいそうなくらい、熱いです」 「雪。説明してくれて有難う……でも、もう説明はいいから」  弱い刺激で触ってもらっているだけで興奮している自分が急に恥ずかしくなってくる。赤くなった自分を見られたくなくて、久賀は雪から顔を逸らした。  何かを言おうとしていた雪の口が閉じて、彼女は目を伏せる。 「あの、久賀様」 「どうした?」  息が上がっているのを隠す為に平静を装った。 「久賀様は、今嬉しいですか……? 僕に、触ってもらって……」 「嬉しいから、俺のはこうなってるんだ」 「そうなんですか?」 「嬉しいと、こうなるんだよ」 「男の人は嬉しいとこうなるんですか? 僕にはその、これはついてないから、男の人には付いてるんですよね? 久賀様みたいに、嬉しいとこうな──」 「るんですか」と続きは言えなかった。口を塞がられて雪がモガッと叫ぶ。  久賀は雪の口を片手で塞いで、黙らせた。雪はといえばどうして自分の口を塞がられたのか分からずに目を白黒させた。 「雪。俺の前で俺以外の男の話はするな」 「もがっ、もごっ、っんぐ」 『していないです』と口を覆われながらも喋るも、久賀の手に邪魔されて上手く伝えられずに雪は困ってしまう。  頭を左右に振って久賀の手を振り解き、声を出そうとする雪の唇に人差し指を当てた。 「他の男の魔羅を想像されると頭がどうにかなりそうだ。俺以外のを触りたいと思ってるのか?」 「そ、そんなこと思ってません。久賀様以外のを触ろうなんて……ただ、他の人も同じなのかなって気になっただけで……」 「気にするな」と久賀の一言に雪は口を噤んだ。
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