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第三話 異界の生活
「......うん、目覚めは最悪」
寝てから数分くらいの感覚だ。俺あらため、僕は異界の方の世界で目を開いた。
現世で寝ていると、異界のほうが覚醒する。逆に異界のほうで寝ていると、現世で覚醒する。未だに不思議だ。僕は貴族の家で生まれた。子爵家だ。僕はふとあることに気がついた。
「...ほんと、なんで僕の周りでお前たちは寝るの?」
「知らない...もう知らない...」
「かわいいかわいい妹たちに囲まれて寝れるなんて最高でしょ?」
「お前らがいるから夢精しちゃったじゃねえか...」
2人は僕の双子の妹だ。まあ、異界の?
姉のるなは、ピンク色の髪でポニーテール。妹のりなは、水色の髪でツインテール...わかりやすい。
コイツラは半分サキュバスで半分人間のやつだ。
深夜になると理性失って勝手に入ってくる。こっちは、毎回!毎回!パンツ洗うのめんどいんだよ。
「だって、勝手に魅了と誘惑のスキルが発動しちゃうんだもん」
「そうそう、逆に誘惑に負けるほうが悪いんだよ」
「お前らが僕の部屋にいなければフェロモンぼんぼん出てても届かねーだろ」
こいつらはまだ10歳ではあるが、もう体がJCくらいには完成している。あと普通に見かける女の子よりも可愛いという地獄。
「あと、意外とお兄ちゃんは変態だからね...」
「私達がフェOチオとか耳Oめしたらすぐ夢精するもん。もう4回はしてたよ...」
「全部お前らがいるからや!!てかまじでやめて...」
こんな感じでサキュバスといるのはかなり鬼畜だ。妹とかじゃなかったらごめんだね。
「もう、あと公共の場で僕と手をつなぐのはまじでやめて」
「なんで?」
「仲いい兄妹ですむじゃん」
「言いたくはなかったけど下半身がデカくなんだよ!!」
だから、みんなは絶対にサキュバスと生活するのはやめましょう。僕みたいに視線が痛くなります。
「あとご馳走様でした」
「何が?」
「え?精気に決まってんじゃないですか...」
「......僕は精神的苦痛がします」
僕は半ばだが、逃げるようにリビングに行った。だが、開けて閉めた。
「.....兄さん...」
「.....」
二人は無言になる。分かる。気持ちはわかる。
こんな朝から...なんか喘ぎ声とかも聞こえてきて少々耳障りだ。
「...........ちょっとエルクリール...来てくれ」
「だ〜〜〜〜魔剣はだめ〜〜〜!!!」
「ちょっと!兄さん.....やっちゃって.......いいよ。地獄絵図だし」
「諦めないで〜〜〜!!!りな〜〜!!!」
姉の方の悲鳴に近い声が聞こえてくる。
*
「うまい...朝ごはん」
「でしょ?朝ごはんに[魅了]のスキルを使ってもっと美味しくしたんだもん」
若そうな女性が大げさに手を振りかざして自慢しまくる。
あれ、てことは魅了外したら不味くなるんじゃ...
「つまり、魅了のスキルが無いと美味しくないんだね」
「お父さん。つよっ」
めっちゃドヤ顔でいるのは僕の父で、人間だ。
で、もうひとりの若見えする女性は母で、実年齢は37といういがいとおばはんの境界に入ってきているらしい。見た目は女子高校生くらいに見える。
だからいつも男爵家くらいのパーティーに行くと普通にモテるらしい。
「そうよ、私はそれくらい魅了的ってことかな?」
「え!ポジティブ〜」
るなが僕の思っていた事を言ってくれた。ありがたい。口を休められる。
こんな感じで、ポジティブで若見えの母と、ちょっと馬鹿な父、考えていることがよく一致するるな、小動物みたいで癒されるりな。
これからも、なんとか楽しくやっていこうと思う。
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