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第五話 火星
「るな!!速くこっちに!」
「え??!」
俺はすぐにるなの方に向かい、上級と推定される結界を貼り、魔法の被害から身を隠した。
刹那、火星が破裂。
炎をまとったたくさんの岩石が飛来する。
「そんな...ああああ.....」
「この結界でも跳ね返せないの?!!あれはもう災害級の魔法だよ!」
「この程度の結界で跳ね返せてしまうのか」
「え?」
一つの炎を纏った岩が飛来してきた。これが当たれば普通は死んでしまう。
そう、普通はね。
「水槍」
水属性魔法を槍状にした。これで十分だろう。
それを岩の方にぶん投げた。
「きゃあああああ〜〜〜!!!!」
相殺するとともに、裂波と悲鳴が生まれた。
でも、そこまで裂波も強くはなかったと思う。
あとだんだんのグラディウスの影響は消えてきたと思う。
「......次は発声練習と同時進行にもっと地点設定をできるように...」
「こんな魔法!!!絶対に使うことなんてないよ!!!」
......なんか、るながそんなに言うと本当に使わないんじゃないかと思ってしまう。
だけど、俺には目標があるからな。
「僕にはね...目標があるんだよ」
「...目標って?」
「目標は...賢者を超えること」
賢者っていうのはこの世界で初めて起源魔法、終焉を開発した者で、今のところはそれを上回る魔法は存在しないらしい。
予想だが、まだこの世界が残っていることと、その跡地から見ると、広島の核爆弾に匹敵する威力があったんじゃないかと推定する。
「つまり、あれを超えようとしているってこと」
「そうそう...」
普通は無理だ。あのグラディウスだけでも魔力が3割程持って行かれた。
でも...
「ここがある限り、人間には限界は未知じゃないかな」
「科学...ね。私はそっちの世界を知らないから分からならないけど、凄いからね」
「そう、ただ単に魔法を打っても意味がない」
もし火、水、風、土属性の全てが使えたとしても、打ち方やイメージが全部同じだとバリエーションは4つまでにしかならない。でも、どんなに魔力が少なくたってバリエーションが多ければそれに応じて火属性だけでも、
炎槍、火球、剣にまとわせれば炎剣とこれだけでも3つの魔法を生むことができる。全部センスなのだ。
「だから、大事なのはその時にひらめいたアイデアをすぐさま実行することだと僕は思うな」
「そうだね......ちょっと魔法の練習...してみようかな」
「いいよ。手伝うよ」
*
「なんでここまで没頭しちゃったのかなぁ」
るながもう絶望の顔にそまっている。
「.....また...やってしまった」
僕たちはもう8時くらいに帰ってきてしまった。どうせ、家帰ったら怒られるだろうが、今は家の玄関でどっちが先行になるかというもうどうでもいいことに葛藤している。
「....ちょっとダッシュで...頼む」
「やだやだ!兄のコミュ力で...」
「魔法を教えてやってじゃ...」
......ベランダから母が覗いていた。
...この結果に、反省をしました。次からはバレないように...転移魔法を作っておきます。
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