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3.仲直り ※
口の中を貪られながら、布越しに脈打つ存在を感じて、俺の体はますます熱を持った。浴衣の裾を割って太腿をそっと撫でられると、思わずビクンと跳ねる。常磐は俺の口から伝う唾液を舐め取るように、首に舌を這わせていく。
「……とき、わ」
「なぜ、こんな人の子に、と思うのだがな」
「悪かった……な。っあ!」
言った途端に、首元に小さな痛みが走る。常磐が強く吸い上げた場所が赤く色づいている。
「いった……!」
「お前は口で言っても少しもわからないから」
「やっぱり、まだ怒ってる……」
常磐は黙って俺を抱えたまま立ち上がった。ずんずん進んでいくと、奥の座敷には立派な布団が敷かれている。ぽいっとぞんざいに投げられたのに、布団にはふわりと落ちた。吊り上がった眉にへの字口の神様が俺を見下ろしている。どんな顔をしていても、常磐は綺麗だ。
(……でも、こんな顔を見たことあるの、たぶん、俺だけなんだろうな)
じっと見ていたら、常磐が俺の上に覆いかぶさってきた。
常磐の瞳が綺麗な金色から少しずつ炎が揺らめくように赤くなる。その瞳から少しも目を離せなくてぶるりと体が震えた。帯を解かれ肌が露になると、厚みのある舌がまるで獣のようにべろりぺろりと肌を舐めていく。両手を布団に縫いつけられたまま、常磐の舌先が乳首をつつき、口に含んで転がす。
「ん……ふっ……ん」
舌で押しつぶしては捏ね上げられ、舐め回されているうちに、乳首はふっくらと大きくなる。ろくに感じたことなんてない場所だったのに、最近は少し擦れただけでずくんと疼くことがある。こんなとこが感じるなんて嫌だ。
「……ときわの……ばかっ。お前の、せいだ」
不満そうにこちらを睨む男が乳首を軽く噛む。柔らかく歯を立てられているうちに、ゆるゆると下半身が起き上がってくる。じわじわと先走りがこぼれて腰が浮き、一気に熱が集まった。乳首以外どこにも触れられていないのに、体が疼いて堪らない。恥ずかしくて仕方ないのに、俺のペニスはすっかり天を向いている。
「あっ。あ、やだぁ……んっ」
常磐が乳首をじゅっと吸いあげた瞬間、我慢できずにびゅるりと白濁が飛ぶ。
「やだ、イっちゃ……やっ」
俺の腹に飛び、常磐の胸にも飛んだ白濁を、常磐は指で掬ってべろりと舐めた。まずいはずなのに、まるで甘いものを舐めるような微笑にぞくりと体が震える。布団からずり上がって逃げようとすれば、常磐はすぐに俺の体を押さえつけた。
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