入学式

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入学式

僕はある桜の降る春の日、隣にいた同じ制服を着た女の子に恋をした。 教室に行き、女の子を探してみるがいなかった。違うクラスなのだろう。 名前も分からないけれど、たまに廊下や放課後の掃除の時間にすれ違う。それだけ。 でも僕は次の授業の教室移動時間、放課、廊下で他の女子友達と笑う君の姿から目を離せずにいた。 そうして、時が経ち、来年4月10日。 いつも通り電車に乗り、学校へ向かう途中、あの女の子を見つけた。 あの子はこの駅を使ったことはなかったはずだ。 これまでここで会ったことはないし、放課後、校門のところで見た事はあるが、いつも僕とは違う方向へ行く。 おそらくバスなのであろうと思っていた。 よく見ていると周りを見てキョロキョロしている。 何か困っているのだろうか。その後、地図を見つけてそこに向かい、しばらくそこに立って左へ行った。 そのあと僕も地図の前へ行き、彼女の見ていた当たりを見てみた。そして今は朝の7時半。僕はいつも早く学校に行くので普段通りだが、普通の学校の時間には早過ぎる。用事があって、早めに来たのかもしれない。 僕はそのまま学校へ向かおうと足を動かすと、後ろから声をかけられた。
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