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カフェでの話
いつもの場所で彼女と会い、そのカフェへ向かう途中、僕は話しかける余裕もないくらいに緊張していた。
こうして歩くのは慣れているのに、普段とは違う服装に、化粧をしている姿に、ドキドキしていた。
その時、彼女が話しかけてくれた。
趣味は何か聞かれたので咄嗟に、
「ゲームだよ」
と答える。すると彼女は、
「どんなゲーム?」
とまた聞いてくる。
僕は頭が真っ白になりながらも、
「アクションゲーム…」
と言った。彼女はそれをすごいなと思ってくれた。
彼女はアクションゲームが苦手らしい。
そんな話をしながらカフェに着く。
僕は心臓の鳴り止まない中、なんとかドリンクとどうぶつクレープを注文した。
席に座り、ようやく少し落ち着き周りを見ると、ボードゲームやカードゲームが置いてあった。遊べるらしい。
でも僕は誘う勇気もなかったので彼女が話すのを待った。
クレープと飲み物が届き、彼女が写真を撮りたいと言うので一緒に撮り、「美味しいね」と言いながら食べる。
その姿はとても可愛い。
その反応に少し安心し、僕はクレープを眺める。
緊張し過ぎていたせいか、自分が何を頼んだのか忘れていた。
彼女はミルクとハリネズミのクレープ。
僕はアイスティーとアルパカのクレープ。
見た目はすごく生クリームでフサフサしており、結構大きかったので、パクパク食べていく彼女に対し、僕は食べるのに少し遅くなってしまった。
僕は彼女に聞いた。
僕は甘いものをそんなに食べられない為、ミルクとクレープは甘いものに甘いものじゃないかと思い、聞いてみる。
すると、彼女は、
「そんなことないよ。結構スッキリしてるよ」
と笑顔で答える。
ちょっと変なことを聞いてしまったかと思い、焦るが、クレープは流石に甘かったらしく、
「甘い甘い攻撃だ」
と食べながら言う彼女はすごく可愛く、気にしていないようで安心する。
カフェは平日だからか空いていた。
学校の話をするとどうやら彼女は英語が苦手らしい。
そこでふと僕は力になれると思い、ちょうど夏休み明けに英語のテストがあったので
「僕が教えようか?」
と言った。
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