テレキャスターはマシンガンVol.3

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 夕方くつろいでいるといきなり電話がかかってきた。 「はい」 「オレだけど」しばらくマサルは話し相手と沈黙した。誰だろうか? 「栃の嵐だ」 「君か」 「そうだ」 「何だ」 「オレは悪かったと思うのだ」 「何のことやら」 「君のことを『いも』と呼んでいじめただろ」 「そんなこと気にしていないよ」 「オレは君を殴っただろ」 「覚えていないよ」 「本気でそう思っているのか?」 「何だかよくわからないよ」 「性格いいな」 「昔から変わらないよ」 「許してくれるのか?」 「子供のころのことだろ」 「そりゃそうだけど」 「いいのか?」 「それは置いといてどうして電話番号はわかったの?」 「それがレコード会社の人に謝ってください、と言われたような気がしたのだ」 「相変わらず妄想激しいね」 「それはいいけど」 「ところでギターはまだ同じものを使っているの?」 「愛着があってね」 「なるほど」 「いじめられたのなんて中学生時代のことだろ?」 「マサルは優しいな」 「栃の嵐君だよな」 「そうだけど」 「いろいろあるよ、オレも他人事じゃないよ」
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